CentOS 7 へのインストール

著者

稲村 泰弘

最終更新日

May. 8, 2019

空蟬 0.3.x系 (python 2)

環境構築

空蟬のインストールに必要となるgccなど開発系パッケージや、各種ライブラリのパッケージを導入するために新たなレポジトリの登録が必要である。

作業

内容

CentOS開発環境の構築

開発ツールのグループパッケージ導入

追加のレポジトリ

epelレポジトリの追加

その他必要なツール類.

cmake, doxygenの導入

よって、以下のコマンドで上記の導入を行う。

$ su -
# yum groupinstall 'Development tools'
# yum install epel-release
# yum install cmake doxygen

空蟬環境に必要な外部ライブラリのインストール

Manyoライブラリのコンパイルや、空蟬可視化コードを動作させるのに必要な外部ライブラリ及び、CentOS7におけるパッケージの情報を下記の一覧に示す。

ライブラリ

必要なバージョン

CenOS 7.5で使用可能なパッケージ

Manyoライブラリ関連

(C++コード)

Python

2.7.x

python-devel

Mini XML

2.7以降

mxml-devel

HDF5

1.8.x

hdf5-devel

NeXus

4.2.x以降

なし

Gnu Scientific Library(GSL)

指定なし

gsl-devel

Boost C++ Library

1.46.x以降

boost-devel

Python関連

(GUI関連)

wxPython

2.8.x

wxPython

Numpy

1.6.x以降

numpy

Scipy

0.10.x以降

scipy

matplotlib

1.0.x以降

python-matplotlib(だが使えない:後述)

以上のうち、パッケージで存在するライブラリを導入する。

$ su -
# yum install python-devel mxml-devel hdf5-devel gsl-devel boost-devel
# yum install wxPython numpy scipy

残りの NeXusとmatplotlibに関しては、インストール手順で示す。

インストール手順

インストール先の作成

本マニュアルでは、

/opt/mlfsoft/

をインストール先とする。すなわちこのフォルダの下に

/opt/mlfsoft/manyo
/opt/mlfsoft/python-utsusemi
/opt/mlfsoft/uGao

などの万葉ライブラリや空蟬パッケージが並ぶことになる。

インストール作業を簡略化するために、このフォルダの所有者を作業者のアカウント(本マニュアルでは hoge)とする。

$ su -
# mkdir -p /opt/mlfsoft/
# chown hoge.hoge -R /opt/mlfsoft

万葉ライブラリに必要となるライブラリ(本マニュアルでは別途ビルドするNeXusライブラリ)は、万葉ライブラリのローカルフォルダにインストールする。

残りのライブラリのインストール

NeXus

NeXus はコードをダウンロードする。

ダウンロード先:https://github.com/nexusformat/code/releases

ファイル:v4.4.3.tar.gz (最新版でも大丈夫と思われる)

コンパイル手順

下記の通り。インストール先は /opt/mlfsoft/manyoを指定。ただし、CentOSでは64bitのライブラリは lib64 というフォルダに入れられるため、万葉ライブラリでのデフォルトである lib にコピーする。また include/nexus の中身も include に移す。

$ tar xzvf code-4.4.3.tar.gz
$ cd code-4.4.3
$ mkdir build
$ cd build
$ cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX:PATH=/opt/mlfsoft/manyo ..
$ make
$ make install
$ mkdir /opt/mlfsoft/manyo/lib
$ cp /opt/mlfsoft/manyo/lib64/* /opt/mlfsoft/manyo/lib
$ cp /opt/mlfsoft/manyo/include/nexus/* /opt/mlfsoft/manyo/include/
matplotlib

matplotlib は、epelのパッケージで存在するものの、wxPythonに対応していないことが判明した。よってソースコードをダウンロードする。

ダウンロード先:http://sourceforge.net/projects/matplotlib/files/matplotlib/

ファイル:matplotlib-1.2.0.tar.gz (一応、epelパッケージのバージョンに揃えておく)

コンパイル手順
$ tar xzvf matplotlib-1.0.1.tar.gz
$ cd matplotlib-1.0.1
$ python setup.py build
$ su
パスワード:xxxxx
# python setup.py install
# exit
wxPython, numpy, scipy, matplotlibの動作確認
$ python
>>> import numpy
>>> import scipy
>>> import wx
>>> from pylab import *
>>> plot( [1,2,3] )
>>> show()

最後のコマンドで以下のような図が表示されればよい。

image3

空蟬インストール手順

  1. 万葉ライブラリ コアコード

  2. 空蟬基本コード

  3. 空蟬 装置専用コード

準備

ソースコード

ソースコードは、subversionやgithubなどで管理されているが、Ubuntu Linux版のインストールパッケージにまとまって入っているのでそれを利用する。

空蟬ポータルサイトダウンロード からUbuntuLinux用をダウンロードする。

これを展開した src ディレクトリにあるので、それを利用する。

$ tar xzvf Utsusemi_0.3.6_r1161_181018_Ubuntu_1404_1604LTS.tar.gz
$ cd Utsusemi_0.3.6_r1161_181018_Ubuntu_1404_1604LTS
$ ls src/
manyo-core/    manyo-SAS/     python-emaki/    python-utsusemi-DNA/  python-utsusemi-SIK/
environ-DNA/   manyo-DNA/     manyo-TKtools/   python-utsusemi/      python-utsusemi-HPN/  python-utsusemi-TKtools/
lib-levmar/    manyo-levmar/  manyo-utsusemi/  python-utsusemi-AMR/  python-utsusemi-SAS/  version.txt
C++コードのコンパイルスクリプト

C++のフォルダに入っているスクリプト(do_makeManyo.pyやdo_make_Utsusemi.py)を利用してインストールを行うのが簡単である。

書式とパラメータは以下のとおり。

$ python do_make_Manyo.py <command> [<option> <option> ...]
$ python do_make_Utsusemi.py <command> [<option> <option> ...]

do_make_Manyo.py / do_make_Utsusemi.py <command> [<option> <option> ...]

command

make

コンパイルを行う

install

コンパイル+インストールを行う

clean

make cleanを行う

man

helpを作成するスクリプトを実行する

depend

コンパイル時に必要な情報を収集する(普段は使用しない)

option

--help

ヘルプ表示

--manyo-path=<path>

MANYO_PATHを指定する (通常は/opt/mlfsoft/manyo)

--dist-name=<name>

Linuxディストリビューションの指定 ( "RH6" "RH7" "Ubuntu" )

--pyver=n.m

使用するPythonのバージョンの指定。 省略時はスクリプト実行に使用したPythonのバージョン。

--numth=n

マルチスレッド処理の数の指定

--without-para

コンパイルのパラレル処理を行わない。指定しない場合、 高速に処理されるがメモリを大量に消費(数GB)するので注意。

--debug

デバッグモード

--ver=<version>

バージョンの指定(表記の問題なので不要)

--without-depend

コンパイル時に必要な情報を収集する手順を省く。これにより 高速化するが必ず1度は実施する必要があるので使用しないこと。

--other-modules=<mod>[,<mod>,..]

他のモジュールに依存する場合に使用する。 <mod>はモジュール名。

万葉ライブラリ コアコードのインストール

万葉ライブラリ コアコードを以下のようにインストールする。C++コードがコンパイルされ、ライブラリがインストールされる。

$ cd manyo-core
$ make clean;
$ python do_make_Manyo.py --manyo-path=/opt/mlfsoft/manyo --dist-name=RH7 install

空蟬基本コードのインストール

万葉ライブラリ用コード

空蟬の万葉ライブラリ用コードを以下のようにインストールする。C++コードがコンパイルされ、ライブラリがインストールされる。

$ cd manyo-utsusemi
$ make clean;
$ python do_make_Utsusemi.py --manyo-path=/opt/mlfsoft/manyo --dist-name=RH7 install
空蟬のPythonコードのインストール

空蟬のPythonコードをインストールする。実際には所定のフォルダをコピーするだけである。

$ cp -r  python-utsusemi /opt/mlfsoft

装置専用空蟬コードのインストール

それぞれの装置に対して、空蟬基本コードを拡張するコードが必要である。

BL

万葉ライブラリ用コード

Pythonコード

インストール先

BL01

なし

python-utsusemi-SIK

python-utsusemi/SIK

BL02

manyo-DNA(詳細は後述)

python-utsusemi-DNA

python-utsusemi/DNA

BL11

なし

python-utsusemi-HPN

python-utsusemi/HPN

BL14

なし

python-utsusemi-AMR

python-utsusemi/AMR

BL15

manyo-SAS(詳細は後述)

python-utsusemi-SAS

python-utsusemi/SAS

BL17

BL15と同じ(詳細は後述)

python-utsusemi-VNR

python-utsusemi/VNR

BL19

manyo-Emaki

なし

BL01, BL11, BL14の場合

これらのビームライン用のコードは、pythonコードだけであるので、以下のようにコードをコピーする。使用する環境に応じて必要なコードをコピーすれば良い。

$ cp -r python-utsusemi-SIK /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SIK   # for BL01
$ cp -r python-utsusemi-AMR /opt/mlfsoft/python-utsusemi/AMR   # for BL14
$ cp -r python-utsusemi-HPN /opt/mlfsoft/python-utsusemi/HPN   # for BL11
BL15, BL17の場合

BL15は、専用の万葉ライブラリ用のコード(C++)のコンパイル・インストールが必要である。

BL17は基本BL15の環境を利用するので、BL15のインストールののち、装置専用のPythonコードをインストールする。

万葉ライブラリ用コード

空蟬の万葉ライブラリコードと同じである。インストール先などのパラメータも一致させること。

$ cd manyo-SAS
$ make clean;
$ python do_make_Utsusemi.py --manyo-path=/opt/mlfsoft/manyo --dist-name=RH7 install
Pythonコードのインストール(コピー)

空蟬のPythonコードをインストール(コピー)する。

$ cp -r  python-utsusemi-SAS /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS  # BL15及びBL17
$ cp -r  python-utsusemi-VNR /opt/mlfsoft/python-utsusemi/VNR. # BL17
BL19の場合

BL19は、専用の万葉ライブラリ用のコード(C++)のコンパイル・インストールが必要である。

万葉ライブラリ用コード

空蟬の万葉ライブラリコードと同じである。インストール先などのパラメータも一致させること。

$ cd manyo-Emaki
$ make clean;
$ python ../do_make_Utsusemi.py --manyo-path=/opt/mlfsoft/manyo install
BL02の場合

Under Construction

環境変数を設定

空蟬の環境変数設定は、装置ごとに異なる。よって使用する装置に応じて設定を行う必要がある。基本的な設定はそれぞれの装置のPythonコードのフォルダに存在する bashrc.XXX (XXXは装置コード)に収められている。

/opt/mlfsoft/python-utsusemi/SIK/bashrc.SIK
/opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS/bashrc.SAS
など
# Utsusemi software environment
# (2018.03.30)

# BL info
XXX=SIK
BL=BL01

# Path to MLF Software
MLFSOFT_PATH=/opt/mlfsoft
...

仮にインストール先が /opt/mlfsoft でない場合は、このファイルの MLFSOFT_PATH 環境変数の設定を変えること。

これらの設定を有効にするには、空蟬を使用するユーザーのホームフォルダ直下の環境設定用ファイル .bashrc に bashrc.XXX をそのまま追記するか、以下のように source コマンドで空蟬の環境設定用ファイルを実行する。

$ source /opt/mlfsoft/python-utsusemi/XXX/bashrc.XXX

おすすめは、.bashrcに以下のような設定を、それぞれの装置ごとに追加することである。

# For Utsusemi environment SIK
if [ -f /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SIK/bashrc.SIK ]; then
    alias SIK="source /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SIK/bashrc.SIK"
fi

# For Utsusemi environment SAS
if [ -f /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS/bashrc.SAS ]; then
    alias SAS="source /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS/bashrc.SAS"
fi

この設定では装置コード"SIK"と"SAS"の空蟬パッケージがインストールされたことを意味する。またこれが設定されている場合、

$ SIK

$ SAS

といったコマンドで装置に応じた環境を設定・切り替えることが可能となる。

空蟬 4.0 系 (Python3)

ここでは、CentOS 7.6におけるPython3環境上に空蟬4をインストールする手順の例を示す。

警告

現状、空蟬0.3.7はPython3に対応はしているが、完全な動作保証とサポートは行なっていない。Python3での動作は空蟬4を利用することを推奨する。

環境構築

空蟬のインストールに必要となるgccなど開発系パッケージや、各種ライブラリのパッケージを導入するために新たなレポジトリの登録が必要である。

作業

内容

CentOS開発環境の構築

開発ツールのグループパッケージ導入

追加のレポジトリ

epelレポジトリの追加

その他必要なツール類.

cmake, doxygenの導入

よって、以下のコマンドで上記の導入を行う。

$ su -
# yum groupinstall 'Development tools'
# yum install epel-release
# yum install cmake doxygen

空蟬環境に必要な外部ライブラリのインストール

Manyoライブラリのコンパイルや、空蟬可視化コードを動作させるのに必要な外部ライブラリ及び、CentOS7におけるパッケージの情報を下記の一覧に示す。

Python関連で必要となるライブラリは、未だ多くがデフォルトのパッケージでは提供されていないために、 pipを用いてインストールすることに注意。

ライブラリ

必要なバージョン

CenOS 7.6で使用可能なパッケージ

Manyoライブラリ関連

(C++コード)

Python3

3.6以降

python36-devel

Mini XML

2.7以降3.0未満

(不使用:理由は後述)

HDF5

1.8.x

hdf5-devel

NeXus

4.2.x以降

(存在せず)

Gnu Scientific Library(GSL)

指定なし

gsl-devel

Boost C++ Library

1.46.x以降

boost-devel

Python関連

(GUI関連)

PySide

1.2.x

python36-pyside

Numpy

1.6.x以降

python36-pip + numpy(pip)

Scipy

0.10.x以降

python36-pip + scipy(pip)

matplotlib

1.0.x以降

python36-pip + matplotlib(pip)

以上のうち、パッケージで存在するライブラリを導入する。

$ su -
# yum install python36-devel hdf5-devel gsl-devel boost-devel
# yum install python36-pyside
# yum install python36-pip
# python3 -m pip install numpy matplotlib scipy

mini-XMLはパッケージがあるが万葉ライブラリと不整合があるためにソースからコンパイルする必要がある。 またNeXusはパッケージが存在しない。 これらに関しては、次のインストール手順で示す。

インストール手順

インストール先の作成

本マニュアルでは、

/opt/mlfsoft/

をインストール先とする。すなわちこのフォルダの下に

/opt/mlfsoft/manyo
/opt/mlfsoft/python-utsusemi
/opt/mlfsoft/uGao

などの万葉ライブラリや空蟬パッケージが並ぶことになる。

インストール作業を簡略化するために、このフォルダの所有者を作業者のアカウント(本マニュアルでは hoge)とする。

$ su -
# mkdir -p /opt/mlfsoft/
# chown hoge.hoge -R /opt/mlfsoft

万葉ライブラリに必要となるライブラリ(本マニュアルでは別途ビルドするNeXusライブラリ)は、万葉ライブラリのローカルフォルダにインストールする。

残りのライブラリのインストール

mini-xml

mini-xml は、epelのパッケージで存在するものの、APIが大きく変わってしまったバージョンである3.0が提供されている。3.0では万葉ライブラリのコンパイルが不可能であることを確認している。そこで、少し前のバージョンのソースコードをダウンロードする。

ダウンロード先:https://github.com/michaelrsweet/mxml/releases

バージョン:v2.7以上(2.8 〜 2.12のどれでも良い)

コンパイル手順
$ tar xzvf mxml-2.8.tar.gz
$ cd mxml-2.8
$ ./configure --prefix=/opt/mlfsoft/manyo
$ make install
NeXus

NeXus はコードをダウンロードする。

ダウンロード先:https://github.com/nexusformat/code/releases

ファイル:v4.4.3.tar.gz (最新版でも大丈夫と思われる)

コンパイル手順

下記の通り。インストール先は /opt/mlfsoft/manyoを指定。ただし、CentOSでは64bitのライブラリは lib64 というフォルダに入れられるため、万葉ライブラリでのデフォルトである lib にコピーする。また include/nexus の中身も include に移す。

$ tar xzvf code-4.4.3.tar.gz
$ cd code-4.4.3
$ mkdir build
$ cd build
$ cmake -DCMAKE_INSTALL_PREFIX:PATH=/opt/mlfsoft/manyo ..
$ make
$ make install
$ mkdir /opt/mlfsoft/manyo/lib
$ cp /opt/mlfsoft/manyo/lib64/* /opt/mlfsoft/manyo/lib
$ cp /opt/mlfsoft/manyo/include/nexus/* /opt/mlfsoft/manyo/include/
PySide, numpy, scipy, matplotlibの動作確認
$ python
>>> import numpy
>>> import scipy
>>> import PySide

空蟬インストール手順

  1. 万葉ライブラリ コアコード

  2. 夕顔コード

  3. 空蟬基本コード

  4. 空蟬 装置専用コード

準備

ソースコード

ソースコードは、subversionやgithubなどで管理されているが、Ubuntu Linux版のインストールパッケージにまとまって入っているのでそれを利用する。

空蟬ポータルサイトダウンロード から空蟬4のUbuntuLinux用をダウンロードする。

警告

2019年5月8日現在は未公開である。

これを展開した src ディレクトリにあるので、それを利用する。

$ tar xzvf Utsusemi_4.0_190508_Ubuntu_1604_1804LTS_PY3.tar.gz
$ cd Utsusemi_4.0_190508_Ubuntu_1604_1804LTS_PY3
$ ls -F
Install.py src/
$ ls -F src/
manyo-core/  manyo-emaki/  manyo-SAS/  manyo-TKtools/  manyo-utsusemi/  python-emaki/  python-ugao/  python-utsusemi/  version.txt
C++コードのコンパイルスクリプト

C++のフォルダに入っているスクリプト(do_make_Manyo.pyやdo_make_Utsusemi.py)を利用してインストールを行うのが簡単である。

書式とパラメータは以下のとおり。

$ python do_make_Manyo.py <command> [<option> <option> ...]
$ python do_make_Utsusemi.py <command> [<option> <option> ...]

do_make_Manyo.py / do_make_Utsusemi.py <command> [<option> <option> ...]

command

make

コンパイルを行う

install

コンパイル+インストールを行う

clean

make cleanを行う

man

helpを作成するスクリプトを実行する

depend

コンパイル時に必要な情報を収集する(普段は使用しない)

option

--help

ヘルプ表示

--manyo-path=<path>

MANYO_PATHを指定する (通常は/opt/mlfsoft/manyo)

--dist-name=<name>

Linuxディストリビューションの指定 ( "RH6" "RH7" "Ubuntu" )

--pyver=n.m

使用するPythonのバージョンの指定。 省略時はスクリプト実行に使用したPythonのバージョン。

--numth=n

マルチスレッド処理の数の指定

--without-para

コンパイルのパラレル処理を行わない。指定しない場合、 高速に処理されるがメモリを大量に消費(数GB)するので注意。

--debug

デバッグモード

--ver=<version>

バージョンの指定(表記の問題なので不要)

--without-depend

コンパイル時に必要な情報を収集する手順を省く。これにより 高速化するが必ず1度は実施する必要があるので使用しないこと。

--other-modules=<mod>[,<mod>,..]

他のモジュールに依存する場合に使用する。 <mod>はモジュール名。

万葉ライブラリ コアコードのインストール

万葉ライブラリ コアコードを以下のようにインストールする。C++コードがコンパイルされ、ライブラリがインストールされる。

$ cd manyo-core
$ make clean;
$ python do_make_Manyo.py --manyo-path=/opt/mlfsoft/manyo --dist-name=RH7 install

夕顔コードのインストール

夕顔はPythonコードのみで構成されている。インストール先のフォルダにコピーするだけである。

$ cp -r python-ugao /opt/mlfsoft/
$ ls -F /opt/mlfsoft
manyo/ python-ugao/
$ ls -F /opt/mlfsoft/python-ugao
uGao/

空蟬基本コードのインストール

万葉ライブラリ用コード

空蟬の万葉ライブラリ用コードを以下のようにインストールする。C++コードがコンパイルされ、ライブラリがインストールされる。

$ cd manyo-utsusemi
$ make clean;
$ python do_make_Utsusemi.py --manyo-path=/opt/mlfsoft/manyo --dist-name=RH7 install
空蟬のPythonコードのインストール

空蟬のPythonコードをインストールする。実際には所定のフォルダをコピーするだけである。

$ cp -r  python-utsusemi /opt/mlfsoft
$ ls -F /opt/mlfsoft
manyo/ python-ugao/ python-utsusemi/
$ ls -F /opt/mlfsoft/python-utsusemi
utsusemi/
$ ls -F /opt/mlfsoft/python-utsusemi/utsusemi
ana/ facade/ vis/ scripts/ __init__.py

空蟬装置専用コードのインストール

それぞれの装置に対して、空蟬基本コードを拡張するコードが必要である。

BL

万葉ライブラリ用コード

Pythonコード

インストール先

BL01

なし

python-utsusemi-SIK

python-utsusemi/SIK

BL02

manyo-DNA(詳細は後述)

python-utsusemi-DNA

python-utsusemi/DNA

BL11

なし

python-utsusemi-HPN

python-utsusemi/HPN

BL14

なし

python-utsusemi-AMR

python-utsusemi/AMR

BL15

manyo-SAS(詳細は後述)

python-utsusemi-SAS

python-utsusemi/SAS

BL17

BL15と同じ(詳細は後述)

python-utsusemi-VNR

python-utsusemi/VNR

BL19

manyo-Emaki

なし

BL01, BL11, BL14の場合

これらのビームライン用のコードは、pythonコードだけであるので、以下のようにコードをコピーする。使用する環境に応じて必要なコードをコピーすれば良い。

$ cp -r python-utsusemi-SIK /opt/mlfsoft/python-utsusemi/utsusemi/SIK   # for BL01
$ cp -r python-utsusemi-AMR /opt/mlfsoft/python-utsusemi/utsusemi/AMR   # for BL14
$ cp -r python-utsusemi-HPN /opt/mlfsoft/python-utsusemi/utsusemi/HPN   # for BL11
BL15, BL17の場合

BL15は、専用の万葉ライブラリ用のコード(C++)のコンパイル・インストールが必要である。

BL17は基本BL15の環境を利用するので、BL15のインストールののち、装置専用のPythonコードをインストールする。

万葉ライブラリ用コード

空蟬の万葉ライブラリコードと同じである。インストール先などのパラメータも一致させること。

$ cd manyo-SAS
$ make clean;
$ python do_make_Utsusemi.py --manyo-path=/opt/mlfsoft/manyo --dist-name=RH7 install
Pythonコードのインストール(コピー)

空蟬のPythonコードをインストール(コピー)する。

$ cp -r  python-utsusemi-SAS /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS  # BL15及びBL17
$ cp -r  python-utsusemi-VNR /opt/mlfsoft/python-utsusemi/VNR. # BL17
BL19の場合

Under Construction

BL02の場合

Under Construction

環境変数を設定

空蟬の環境変数設定は、装置ごとに異なる。よって使用する装置に応じて設定を行う必要がある。基本的な設定はそれぞれの装置のPythonコードのフォルダに存在する bashrc.py3.XXX (XXXは装置コード)に収められている。

/opt/mlfsoft/python-utsusemi/SIK/bashrc.py3.SIK
/opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS/bashrc.py3.SAS
など
# Utsusemi software environment
# (2018.03.30)

# BL info
XXX=SIK
BL=BL01

# Path to MLF Software
MLFSOFT_PATH=/opt/mlfsoft
...

仮にインストール先が /opt/mlfsoft でない場合は、このファイルの MLFSOFT_PATH 環境変数の設定を変えること。

これらの設定を有効にするには、空蟬を使用するユーザーのホームフォルダ直下の環境設定用ファイル .bashrc に bashrc.py3.XXX をそのまま追記するか、以下のように source コマンドで空蟬の環境設定用ファイルを実行する。

$ source /opt/mlfsoft/python-utsusemi/XXX/bashrc.py3.XXX

おすすめは、.bashrcに以下のような設定を、それぞれの装置ごとに追加することである。

# For Utsusemi environment SIK
if [ -f /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SIK/bashrc.py3.SIK ]; then
    alias SIK="source /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SIK/bashrc.py3.SIK"
fi

# For Utsusemi environment SAS
if [ -f /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS/bashrc.py3.SAS ]; then
    alias SAS="source /opt/mlfsoft/python-utsusemi/SAS/bashrc.py3.SAS"
fi

この設定では装置コード"SIK"と"SAS"の空蟬パッケージがインストールされたことを意味する。またこれが設定されている場合、

$ SIK

$ SAS

といったコマンドで装置に応じた環境を設定・切り替えることが可能となる。