MPlotマニュアル

著者

稲村 泰弘

最終更新日

Jul. 18, 2017

はじめに

空蟬環境での1次元データ可視化機能であるMPlotについて、説明と紹介を行う。

起動

MPlotとは、ElementContainerのヒストグラムを表示する機能を持つPythonのモジュールである。基本的に SequenceEditor からの起動する機会が多いはずである。

他方、コマンドラインからの使用を想定しているため、ほぼ全機能がコマンドプロンプト( ipythonなど)で使用できる。

コマンドラインからの起動方法

以下のようにPythonコマンドプロンプトでMPlotモジュールを読み込む。

>>> import vis.MPlot as mp

ここでは、vis.MPlotというモジュールを読み込むが、扱うには長いので、mpという代用名(エイリアスみたいなもの)を付けている。そのまま続けて

>>> p = mp.MPlot()

で起動する。また、一つのヒストグラムデータ(ElementContainer)がある場合、以下のように記述すると起動時にプロットされる。

>>> p = mp.MPlot( ec0 )

詳細はCUIインターフェースと機能を参照のこと。

GUIインターフェースと機能

MPlotのGUI機能を以下に示す。

メイン画面上の表示情報

下図に、メイン画面上に表示されている情報を示す。

mplot_main_display

Title

このプロットの表題を示す。起動時に自動的に与えられ、"Fast Plot(XX)"(XXは起動された順番を示す数字)と表示される。

Tool bar

プロットに対する機能がアイコンで並ぶ。詳細は次項。

Plot Area

メインプロット画面。プロットは重ね書き(Over-ray)、分割表示などができ、データごとに線種や色、マーカーも選択できる。またプロッタ上にその位置の座標(ピークラベル)を表示することもできる。詳細は次項。

Pages

指定した個数以上のプロットを表示する場合、複数のページを用意する。現在のプロッタのページと全ページ数を表示する。

Paging

ページ間の移動に用いる。

Pointer Position

マウスポインタの示す位置の座標を表示する。

メイン画面の機能詳細

メイン画面上のそれぞれの機能の詳細を以下に示す(リンク)。

メニュー処理機能

メニューについて述べる。

  • File メニュー

    mplot_menu_files

    • Open...

      テキストファイルを読み込む

    • Save as...

      データをテキストファイルで書き出す。フォーマットは離散型データ(X,Intensity,Errが一対一対応)

    • Save histogram as ...

      データをテキストファイルで書き出す。フォーマットはヒストグラム型データ(Xの個数がIntensity,Errorより1つ多い)

    • Print

      表示中のグラフを印刷。印刷サイズはA4横

    • Exit

      プロッタ画面を閉じる。

  • Display メニュー

    mplot_menu_display

    • Show Plotting Data: Plotting Traces (データ一覧)ダイアログを表示。

      メインプロッタ画面上をダブルクリックすることで現れる。プロットされているデータの選手や色を変更するダイアログ( Plot Pattern.. ボタン)の呼び出し、プロットごとのラベルを変更などを行うことができる。 更にここから Plot Pattern (プロット設定)ダイアログを呼び出して、それぞれのデータのプロット設定(線種や色、線の太さ)、及びエラーバーの有無の設定を行うことができる。

    • Set Graph Parameter: Graph Parameter (グラフ表示条件設定)ダイアログを表示。

      座標部分をダブルクリックすることで現れる。プロットするデータ領域やLog表示を指定したり、1ページに表示する方法(重ね書き、分割表示)の指定、フォントの変更などを行うことができる。

    • Set Graph Title: Graph Title (タイトル設定)ダイアログを表示。

      メイン画面上部のタイトル部をダブルクリックすることで呼び出される。メインタイトルは、デフォルトでは ページ最初のデータのRun No. を表示。サブタイトルは、デフォルトで空白。ただし、ElementContainerのヘッダ情報により自動的に変更される。

    • Set Scale LabelScale Label (軸ラベル設定)ダイアログを表示。

      メイン画面のX軸ラベル部分、およびY軸ラベル部分をダブルクリックすることで呼び出される。X軸ラベルは、デフォルトはX[sss](sssはデータから取得した単位)。ページ最初のデータによる。Y軸ラベルはデフォルトはY[sss]でX軸ラベルと同様である。ただし、ElementContainerのヘッダ情報により自動的に変更される。

  • Process メニュー

    mplot_menu_process

    • Fitting: Fitting (フィティング)ダイアログを表示

      現在表示されているデータに対して、簡易的なフィッティングを行うことができる。基本の関数は、1) 線形, 2) 線形+ガウス関数, 3) 線形+ローレンツ関数, 4) 線形+ガウス関数+ローレンツ関数, 5) 線形+ガウス関数×2。(詳細は別項にて)

各種設定ダイアログの呼び出し

メイン画面上の幾つかの場所をダブルクリックすることで、その場所に関連するパラメータなどを変更するダイアログが開かれる。下図にその場所と開くダイアログを示す。なお、これらのダイアログの幾つかはメニューから呼び出すこともできるので、それも図中に示している。

mplot_clickable_area1

mplot_clickable_area2

テキストの読み込み、書き出しについて

Fileメニューからテキストファイルを読み込んでプロットする、もしくはプロットされているデータをテキストファイルに書き出すことができる。

フィッティング機能について

Processメニューから Fitting を選ぶことで、現在表示しているデータに対して簡易的なフィッティングを行うことができる。また自作関数をフィティング関数として追加することも可能である。

CUIインターフェースと機能

コマンドラインから起動した場合、プロッタの実体(インスタンス)を利用してプロッタを制御することが可能である。プロットするデータは、万葉ライブラリのElementContainerである。